慈覚大師が追い出された場所 ~塩滝不動尊
2023年06月20日 更新
秋保町の一番東端、当時の生出村(おいでむら)との境目付近には、
「塩滝不動尊」というお不動様があります。
お不動様が祀られている洞窟山(いわやどう)は、
塩分を含んだ水が滴り、なめると塩辛いことから、「塩滝」の名がついたと言われています。
その昔、この地で慈覚大師が仏教を広めようと霊場を開こうとしたのですが、
領主が仏教を嫌ってこれを妨害したため、
やむをえず慈覚大師はもっと西の山奥へ向かい、最終的に山寺に落ち着いたと言われています。
もし、時の領主が喜んで慈覚大師を迎えていたら、
秋保湯元の近辺は、山寺のような場所になっていたかもしれません。
塩滝不動尊が祀られている場所は、私有地であるため、気軽に入ることはできませんが、
すぐ下を走る道路から、その姿を見ることができます。
その昔、現在の道路ができる前は、塩滝不動尊の真下から磊々峡へ落ち込む滝があり、
その滝つぼは非常に深かったと言います。
恐らく非常に危険な場所だったのでしょう。この場所にまつわる民話「お粂が淵」は、お粂という女の幽霊が出る怪談話です。
「お粂が淵」のお話は、塩滝不動尊の向かいにかかる赤い橋、新秋保橋のたもとに、秋保の民話の看板がありますので、ぜひご覧ください。
<ご参考>
「水の神さま」を探せ!:17.塩滝不動尊(c)公益財団法人みやぎ・環境とくらし・ネットワーク
「いってみっぺ秋保」No.2 湯元の民話(PDF)(企画・発行:秋保地域資源活用委員会・仙台市)
梅雨入り
2023年06月12日 更新
6月11日、気象庁から東北地方の梅雨入りが発表されました。
日照時間の少ない、雨の日が続き、湿気を含んだ空気が漂う、
ああ、そろそろかなと思っていた人も多いのではないでしょうか。
梅雨もそんなに悪いばかりではありません。
紫陽花が美しく咲きだし、ホタルも元気に飛び交います。
田んぼからは嬉しそうなカエルの合唱が聞こえ、
この季節ならではの情景に、日本の四季の豊かさを感じます。
秋保でも、磊々峡の遊歩道や秋保大滝近辺などで、紫陽花が見られます。
また、同じ仙台西部地区の定義では、「定義ホタルまつり」が開催されます。
今年のお祭りは7月1日(土)とのこと。
出店やステージ、店舗の夜間営業は1日のみですが、ホタル観察会は7月9日(日)まで実施しています。
この機会にぜひ、定義の静かな空気と、飛び交うホタルの光をお楽しみください。
秋保の旅館にお泊りの方は、秋保交通のタクシーをご利用ください。
所要時間30~40分、片道7,800円前後です
磐司岩と湧水
2023年06月07日 更新
秋保から山形へ抜ける二口林道は、夏から秋のみ全線開通となります。
冬季閉鎖期間にあたる今は、未だ山形側まで行くことができないのですが、
磐司展望所(ばんじてんぼうじょ)までは、5月13日(土)から通行可能になっています。
磐司岩(ばんじいわ)は、大東岳(だいとうだけ)の麓にある柱状節理の大連壁で、その姿は見るものを圧倒します。
ここには、昔、磐司磐三郎(ばんじばんざぶろう)という人物が住んでいて、これが大猿とお姫様から生まれたマタギの祖であるとか、
兄弟で山賊になり悪さをしていたが、慈覚上人と出会って改心したなど、そういった民話も秋保には残されています。
秋保の名勝というと、磊々峡(らいらいきょう)と秋保大滝が有名ですが、
お時間のある方はぜひ、秋保大滝からさらに奥へ進んで、磐司展望所から磐司岩の景色もご覧になってください。
迫力ある姿は、圧巻の一言です。
磐司展望所の手前には、二口渓谷湧水(ふたくちけいこくゆうすい)があります。
自由に汲んでいただけますので、ぜひコップやペットボトルなどご持参を。
冷たくて甘くて柔らかくて、本当に美味しい名水です。